高校教師の職場はブラックなのでしょうか?
教師のブラック労働については、よく小学校や中学校が例に出されます。
高校教師ってブラックなの?
高校時代の記憶から
「高校教師って楽なんじゃないの?」
と思っている人も多いのではないでしょうか?
体育の先生とかは楽に見えてた!
実際に、高校教師として働いてみて、高校教師もブラックということが分かりました。
今回は、高校教師のブラックな働き方について、経験を元に紹介していきます。
・高校教師の1日
・高校教師のブラックな労働環境
高校教師のブラックな労働環境
高校教師の仕事の主なものは以下の通りです。
- 学習指導(授業・補習)
- 生徒指導
- 校務分掌
- 部活動指導
どこに力を入れるかは学校によります。
例えば、進学校であれば学習指導に力を入れます。
私が勤務している高校では、生徒指導に力を入れています。
この4つだけを見るとそんなにブラックではなさそうです。
2023年には文部科学省が6年ぶりに教員の勤務実態を調査しました(教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について(概要))。
これによると高校教員の学校滞在時間は以下のようになっています。
高等学校(教諭) | |
平日 | 10時間 |
土日 | 2時間 |
ただ、これは本当に調査したのか怪しいです。
平日なんて残業2時間になっていますが、私の周りにそんな教員はほとんどいません。
ここで私の高校教師としての1日を紹介します。
あくまで私の1日ですので、すべての学校が同じとは限りません。
- 7:00 出勤
-
朝は生徒の欠席連絡やその他の雑務をこなします。
- 8:30 朝会
-
職員朝会を行います。
- 8:50~15:30 授業及び雑務
-
日中は授業と雑務に追われます。
生徒指導案件が入れば、そちらにつきっきりになります。
- 16:00~18:30 部活動
-
放課後は部活動です。
怪我などが発生した際に顧問がその場にいなければ懲戒処分を受ける可能性があるので、目を離すことができません。
- 19:00 雑務
-
日中に出来なかった雑務を行います。
また、保護者に連絡するときもこの時間帯です。
- 21:00 退勤
-
もちろん日に寄りますが、大体はこのくらいの時間です。
部活動がなければもう少し早く帰れるのかな?という印象です。
高校教師のブラックは見えない時間と労力?
教師は勤務時間外も働きます。
先ほどは、平日の勤務についてみていただきました。
しかし、見えていない時間にもはたらくことがあります。
それは以下の2つです。
- 自宅での授業準備やテストの採点
- 土日の部活動指導
高校には空き時間がありますが、事務仕事ですべて使われてしまいます。
授業準備は退勤後に家でやることになるね
授業準備しないと生徒の反応も微妙になるため、授業準備は欠かせません。
また、土日の部活動指導もあります。
私は、土日の部活動指導を勤務時間外の労働として報告していません。
え?なんで?
時間外労働が45時間を超えると校長面談になるためです。
日々の忙しい中で、校長面談に割く時間がもったいないと思ってしまいます。
このように、学校にいる時間以外にも働いていることがあるのです。
しかも、残業代などはでません。
高校教師のブラックさは生徒の多様性が原因?
最近では生徒の多様性にも注目するようになっています。
特にLGBTと呼ばれる性的に少数な生徒の対応があります。
私の高校でも、女子でスラックスとネクタイをしたがる生徒がいます。
逆に男子生徒でスカートを履きたがる生徒もいます。
このような生徒は、トイレや着替えでの対応が難しくなります。
もう少し細かいことを言うと
- 大声での指導が嫌
- 呼び捨てされるのが嫌
- 授業中に指名されるのが嫌
- 怒られるのが嫌
などなどを言ってくる生徒が多くなっています。
ひとり一人に合わせてはいられないね
昔でもこのような生徒はいたと思います。
しかし、今は親も含めて上記のような指導はしないようにと言われることが多いです。
クラス運営も授業も40人を相手にしています。
時には、大きな声を出さなければならない状況もあります。
特に私が勤めるような高校では必要な状況が多いです。
全く配慮しないとは言いませんが、細かい配慮が生徒ひとり一人に必要になったことは確かです。
それが教師の長時間労働につながっていることも確かです。
昔と比べて、高校教師も気を遣いながら生徒に接しているのです。
高校教師のブラックさを加速させる保護者対応
高校に限らず、保護者とのかかわりは神経を使います。
対応を間違えると、夜遅くまで保護者対応という結果になります。
また、個人的には、今の生徒がそのまま親になったのでは?
と思うような保護者もいます。
高校をなんだと思っているんだ?
と思わせるような言動をする保護者が少し多いように思います。
もちろん、8割の保護者は良識があるので全員が大変なわけではありません。
しかし、一部の保護者対応に時間をもっていかれているのが現状なのです。
管理職も学校外から文句を言われることをよく思いません。
教師側に問題がある場合は仕方ありませんが、保護者側の一方的な過剰要求であることがほとんどです。
高校教師のブラックな職員室事情|教師の敵は教師??
意外にも教師の敵は教師であることが多いです。
教師の敵は教師?
人間関係ですから、教師間でも合う合わないはあります。
しかし、気に入らない教師の悪口を生徒や保護者にしてしまう人が残念ながらいます。
教師は生徒や保護者を相手にすることが多いので、変な噂を立てられてしまうのは好ましくありません。
また、指導と言って生徒の前で説教をしてくる人もいます。
これでは生徒の前での教師の立場がありません。
今で言えばパワハラです。
また、職員室で怒鳴り合う教師もいます。
一部の教師ですが、本当にいるんです。
こういう人たちがいるから、教師は常識が無いなんて言われてしまうのだと思います。
生徒や保護者の相手をするよりも、教師を相手にする方が疲れてしまいます。
学校にもよりますが、本当の敵は身近にいる教師なのかもしれません。
高校教師はブラック|デジタル時代の教育の弊害
最近では「GIGAスクール構想」により生徒一人一台のタブレット端末が与えられています。
教師にも一人一台のタブレット端末が与えられています。
授業では、必要なときにICT機器を使うことが推奨されています。
しかし、急にタブレット端末を渡されてもどうやって使えばいいのか分からないのです。
実践例はいくつか示されていますが、参考にできる例が少なすぎます。
進学校ではうまくできても、私が勤務するような学校では難しいのです。
実践例って進学校で行われたものが多いよね
また、生徒端末のWi-Fi管理や情報モラルの指導も欠かせなくなりました。
学校にはタブレット端末に詳しい教師ばかりではありません。
全く使えず、使える人のところにレクチャーを求めにいきます。
結局、できる教師に余計な仕事が増えていきます。
ICT教育の指針では、校務のデジタル化による業務の効率化などと言っていますが、逆に仕事が増えた気がします。
まとめ|高校教師は様々な面でブラックな職場だった
今回は高校教師のブラックな職場についてでした。
私自身も高校教師は楽そうだと思い就職しました。
しかし、学生時代は見えていなかったことがたくさんありました。
確かに楽をしている教師はいるのかもしれません。
しかし、それは一部のわがままな教師であって、周囲にしわ寄せがいっているだけです。
学校による部分もかなり大きいですが「楽そう」という理由で高校教師を目指すのは辞めた方がいいです。